恋に涙を花にはキスを【コミカライズ連載中】




土日が明けて、月曜の朝礼で、私は改めて営業部の皆に挨拶をした。


「研修が明けまして、正式に営業部配属となりました。よろしくお願いします」


よろしくー。
と、温かい声で歓迎され、贅沢など言ってはいけないのだけど。
ほんのちょっとだけ、落胆した。


朝一番、藤堂部長に呼ばれて余り気を落とすなと励ましてもらえたから、上司の方々にはちゃんと伝わってるのだろうとそこは少し、ほっとする。
私は、本当は営業補佐ではなく、男性社員と同じ営業を希望していたのだということを。


営業のアシスタント業務が中心にはなるけれど営業部には違いないし、初日から言われていたことだし。
機会がいつかあるかもしれない、と藤堂部長も言ってたし。


アシスタント業務は女性社員が中心だけれど、その他の特殊案件、金額の大きい取引やトラブル処理などは主に藤堂部長や高見課長など男性上司が処理することが多い。
女性社員はどうしても、取引先に舐められ、特にトラブル時には標的になりやすいから、と。
こそっと教えてくれたのは、西原さんだ。


守られていると言えばその通り。
だけど、だから女性の営業がここにはいないんだなと先行きの閉塞感も少し。


建築業は確かに、取引先も男の人が中心で女性はとても少ない。
わかってはいたけれど、まず第一印象で女性=補佐のイメージが大半なんだな、と東屋さんに着いて回っている間に身に染みた。

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