鬼社長の魅惑のボイス。
私は、唖然とする。
それって……つまり。
「ふざけるな!?
俺の専属秘書は、愛里だ」
「失礼ながら椎名さんは、
本日付で退職と言う形になりました」
退職金!?
そんな……私そんなの希望していない。
「そんな……」
「はぁっ?何を勝手なことを言っているんだ!?
愛里は、退職なんて希望していないし
そんなの俺がさせない」
社長が私の代わりに言ってくれた。
激怒してくれた。
しかし三浦さんと言う人は……。
「会長は、自主退職とするなら退職金を
倍は出すとおっしゃっています。
それに社長と秘書がデキてるなんて世間体にも
悪いですし、社長のためになりません」
無表情で説明をしてきた。
「そ、そんなのいりません!!」
私は、慌てて言い返した。
退職も退職金も望んでない。