【中編】彼女様は甘い味。
「コイツに変な知識を与えるな!」
蓮二は少し興奮気味にそう言うと、京也の腕を掴んでツカツカと歩き出した。
…蓮、先輩?
それを不思議そうに眺めるあたしと、
「ちょっと待て!蓮、…ちょっ」
動きまくって抵抗を試みる京也。
それでも蓮先輩は、全く動じずにドアを開くと…
「帰れ」
「…いや、帰れとはどこに?」
ひきつった表情の葛木先輩があたしの居る場所からは見えるのですけど、
蓮先輩は後ろ姿しか見えないんです。
けど…、
あの先輩のひきつった表情からみて、きっと蓮先輩はとてつもなく怖い顔をしているんでしょう。
「ねぇ、…コイツ泊めてやってよ」
と、その頭の中で想像していた彼の顔は思っていたより柔らかでして、
…泊めて、やってよ。?
えっ!
「あ、あたしがですか…!?」
あたしの側にいた恵ちゃんがビクッとして。
「恵、ちゃんの部屋…?」
少しゆっくりめに葛木先輩は言って、チラリ視線を蓮先輩に送る。
それはそれは控え目に。