【中編】彼女様は甘い味。
「んだよ…っ!」
いかにも苛々してます。というような声のトーンで蓮先輩は言う、
それと同様に、大塚先輩もこっちを振り返った。
……ん、
「えーと…、
今日はお二人共あたしの部屋に泊まられたら、…いいんじゃ、ないかと…」
口にすればするほどに奏音の声はその言葉数に比例して小さくなっていく。
…それは何より、
お二人の表情がとても…
「それは無理、やだ!
…蓮二がどっか行ってよ」
まだ譲らないのか?…という感じ。
何だかんだであたしの言ったことは何も解決には繋がらなかった、わけですね。
「俺だって嫌だ、つーか俺が出ていく必要は無くねぇか?
…お前が出ていけ」
「…っ、」
何だか言葉が。見つかりませんが…
そ、それより!!
「せ、先輩!…とりあえず離して、頂けたら…、その…」
何とも言えないというような奏音の表情。
未だに愁の腕の中に半ば強制的に納められたままの少女。
…と言っても、高校生。だが。
「早く離せ、変態っ!!」
まんざらでもない。
そんな表情で蓮二は愁の腕を掴み奏音から愁を遠ざけた。
「あー、返して返して返して返して返して!」
う、うるさいです…、
まるで小さい子がおもちゃを取り上げられてしまったような感じ、です。
それよりあたしは…
“おもちゃ”ですかね。