【中編】彼女様は甘い味。
…いや、
『返して』という言葉からしてあたしは物同様の扱いを受けているのでは…?
と頭の中で考えまくる女。
「あ、そーいえば…!」
パチンと両手を勢い良く合わせて乾いた音を鳴らす、
そしてニヤリと得意気に笑ってみせる、…大塚先輩。
「んだよ…」
あたしの肩に手を置いたまま、蓮先輩は疑うようにそう言った。
けど…、けどあたしは、
今の状況だけで胸がドキドキですっっ!
でもそのドキドキが何なのか分からないのです…
あたしの肩に先輩の、手。
そしてこれでもかってくらいに近いこの距離。
色んな想像を頭の中で繰り広げてしまう、といった変態的思考が…
あぁっ!!
…これではいけません、
いけませんよーっ!
「奏音…?」
「は、はい…っ!?」
急に声を掛けられて頭の妄想、…ではなく想像に終止符。
「何か上の空だったよ?」
ニッコリと微笑む彼。
彼といってもその彼は…
「あ、あのぉ…
蓮先輩はどこへ、行かれたのですか?」
つまり、その“彼”とは愁のことだ。