幼なじみじゃ、なくなった夜。





いつから見ていたんだろう。榎波の真っ直ぐな瞳は、今私に気付いたというものではないようだった。



足立さんが榎波の視線を追って振り返る。



そして私に気付くと、ニコ、と今日も完璧な愛らしい笑顔を作って会釈してくれた。



「あれ、夏帆ちゃん、足立とも知り合い?」




その様子を見ていた浜崎先輩が意外そうに聞いてくる。




パッと榎波から視線を逸らして、私はピーチウーロンを煽った。




「知り合いというか、まぁ…知り合いです」



「はは、何それ」



おかしそうに笑う浜崎先輩。




「ていうかアイツら、本当いつも一緒にいんな〜。やっぱデキてんのかな」



「ぶっ…!」




そして再び咽せる…。




「ちょ、夏帆ちゃんマジで大丈夫?」



「だっダイジョブです!すみません…」





榎波の話題出る度に過剰反応しすぎでしょ、私…!




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