幼なじみじゃ、なくなった夜。






「…なるほどな」



私の話を一通り聞き終えた榎波が、まるで探偵がするそれのように自身の顎を撫でて言った。



「それはズバリ…嘘だな!」



いやそれはこの状況を見れば誰でもわかるよ。




「でも何でそんな嘘を…?」



「それは知らん」




おい。




「まぁでも一つだけ分かった確かなことがある」



重々しくそう言う榎波。



「分かったことって…?」



「夏帆は俺が好きだろ」





!!!!!!!




あっさり告げられた真実に目が白黒した。



いや、それを言いに今日はここまでやって来たわけだけど。わけだけどさ!?





何でこの人はそれ、言っちゃうの!?






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