幼なじみじゃ、なくなった夜。






言った後、遅れてカッと顔が熱を持った。




違う!!



いや、違くないけど違う!!




「いや、あの、今のは、えっと…」




こんなはずじゃなかった。こう、もっと大人っぽく?ていうか自然な感じで?っていうか、とにかく、こんな叫ぶ予定では全然なかったのに!!




「えっと、その、違うの!いや、違くないけど、その、なんていうか…っ!」




グイ、と強く腕を引っ張られて、気付くとギュ、と抱きしめられていた。榎波の吐息を肩に感じる。




「……………やばい」




暫しの沈黙の後、呟くように彼が言った。





「これはちょっと、想像以上にやばいわ」



「な、なにが…」



「破壊力が」




背中に回された腕の力が増す。




「…思ってたよりも五億倍嬉しい」




< 157 / 162 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop