幼なじみじゃ、なくなった夜。
言った後、遅れてカッと顔が熱を持った。
違う!!
いや、違くないけど違う!!
「いや、あの、今のは、えっと…」
こんなはずじゃなかった。こう、もっと大人っぽく?ていうか自然な感じで?っていうか、とにかく、こんな叫ぶ予定では全然なかったのに!!
「えっと、その、違うの!いや、違くないけど、その、なんていうか…っ!」
グイ、と強く腕を引っ張られて、気付くとギュ、と抱きしめられていた。榎波の吐息を肩に感じる。
「……………やばい」
暫しの沈黙の後、呟くように彼が言った。
「これはちょっと、想像以上にやばいわ」
「な、なにが…」
「破壊力が」
背中に回された腕の力が増す。
「…思ってたよりも五億倍嬉しい」