極甘求婚~クールな社長に愛されすぎて~

その後は紬に思いっきり顔を背けられてしまい、二度と笑顔を見ることはなかったけど、たしかに彼の笑顔を見た。

それだけで紬との距離が近付いた気がして思い返すたび私の口元も緩む。

それに紬の優しさにも触れられた。

動揺してもがく私を強く抱き締めたときの力は強かったけど、苦しいほどではなく、おかげでエレベーターの怖さは忘れていた。


「あのギャップはモテる要素だろうな」
「誰のことだ?」
「わっ?!」


突然所長に声を掛けられたことに驚き、体がビクッと反応してしまった。


「動揺してるなんて怪しいなー。モテるとかギャップとか言ってたけど、恋煩いか?」
「ち、違いますよ」


カッコよくて、ときに優しい紬のことをモテるだろうな、と思ったのは事実だけど、恋愛対象として見ているわけではない。

こと恋愛に関しては私自身、向いていないって自分で分かっているんだから。


『俺のこと仕事終わりに思い浮かべることってあった?』
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