極甘求婚~クールな社長に愛されすぎて~
ていうか、こっち来たよ。
本当にサイン、もらうつもり?!


「あの、すみません。一緒に写真撮ってもらえませんか?」


あぁ、写真か。
それなら分からなくもない。

でも紬は無表情、無感情の低い声で「なぜ」とひと言だけ発した。
そのあまりに淡々とした様子に女性たちは困惑してる。

それも分からなくない。
私もしばらく紬に冷たくされていた身だから。

でも彼女たちは困惑していても怯むことなく、「一緒に写真撮りたいと思ったので」と微笑んで言った。


「ビアガーデンも一緒に行きませんか?私たち、夕方の開店と同時に行くので良ければ席、取っておきますよ」


押しの強さに呆気にとられてしまう。
それは紬も同じだったようで、見上げたときの彼の口元は珍しくポカンと小さく開いていた。

でもそれも束の間。

すぐに会社で見せるような厳しい表情に戻ると、私と繋いでいる手を彼女たちに見えるように上げた。


「恋人と来ているのが分からないのか?きみたちの目は節穴か?」


まるで仕事を注意するような硬い言い方に、女の子たちの熱は一気に冷めてしまい、その場からいなくなった。
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