極甘求婚~クールな社長に愛されすぎて~
でも背中から伝わってくる紬の体温に胸がドキドキしてしまい、結局、俯いてしまう。


「怖かったか?」


ケーブルカーを降りるなり、紬が心配して声を掛けてくれた。


「いえ。大丈夫でした」


紬のことを気にしていたせいで高さを気にすることはなかった。


「…って、あれ?」


それってつまり、他のことに気が向いていれば恐怖心は薄れるということではないだろうか。
たしか、エレベーターの中で抱き締められたときも大丈夫だった。


「しゃ、社長!」


先を歩く紬に駆け足で近付き、興奮気味に言う。


「もしかしたら私、高所恐怖症の解決の糸口を見つけたかもしれません!」
「そうなのか?だとしたら…ここに来た甲斐があったな」


満足そうに微笑む紬に私も微笑み返す。


「だがここからは徒歩になる。道も舗装されていないから怪我しないように気を付けてくれ。あと体力的に辛くなったらすぐに言うこと」
「はい」


険しい表情の紬にドキッとしながらも気を引き締める意味を込めてリュックの肩紐を強く握り、紬について行く。
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