リト・ノート
夜になって美雨はその日の会話を思い出し、恥ずかしさに枕に突っ伏していた。
沙織みたいに人気者になりたい、いろんな男子としゃべれるようになって、あわよくばモテたい。羽鳥にそう思われたはずだ。
そんなつもりじゃなかったのに、とうつ伏せで足をバタバタさせて後悔する。
「おとなしいとは思わない」とも羽鳥は言っていた気がする。かっとなってよく聞いていなかったけれど、おとなしそうにしつつ沙織に対抗心を燃やしているなんて最悪だ。
羽鳥にはどう思われているんだろうとふと思って、いやそういう意味じゃなくておとなしくなかったらなんて思われてるかってことで、と1人慌てた。
聞こえてるかなと寝ながらリトを見上げると、無関心にモグモグ口を動かして小首を傾げていた。