ワケあって本日より、住み込みで花嫁修業することになりました。
「お先に失礼します」
「お疲れさま、また明日ね」
「……はい!」
仕事を終え、綾瀬さんに挨拶をするとそんな言葉が返ってきて頬が緩む。
綾瀬さんとは昼休みが終わる前に、連絡先を交換した。近いうちに仕事終わりに食事に行く約束をして。
それから残っている先輩たちに挨拶を済ませ、早足でオフィスを出る。
エレベーターホールに向かう途中、バッグから取り出したのはスマホ。
謙信くんに伝えたい。謙信くんのおかげで勇気を出せた。新しい自分になれたって。
逸る気持ちを抑え、電話帳から謙信くんを探し出した時、いきなり廊下の影から腕を引かれ引き寄せられた。
「キャッ!?」
そしてすぐに塞がれてしまった口。
「んー!?」
パニックになる中、頭上から聞こえてきたのは彼の声だった。
「すみれ、俺だよ」
――え、この声って……。
ゆっくりと首を上げるとすぐ近くには二日ぶりに見る愛しい人。
目が合うと謙信くんは目を細めた。
「こっちおいで」
「お疲れさま、また明日ね」
「……はい!」
仕事を終え、綾瀬さんに挨拶をするとそんな言葉が返ってきて頬が緩む。
綾瀬さんとは昼休みが終わる前に、連絡先を交換した。近いうちに仕事終わりに食事に行く約束をして。
それから残っている先輩たちに挨拶を済ませ、早足でオフィスを出る。
エレベーターホールに向かう途中、バッグから取り出したのはスマホ。
謙信くんに伝えたい。謙信くんのおかげで勇気を出せた。新しい自分になれたって。
逸る気持ちを抑え、電話帳から謙信くんを探し出した時、いきなり廊下の影から腕を引かれ引き寄せられた。
「キャッ!?」
そしてすぐに塞がれてしまった口。
「んー!?」
パニックになる中、頭上から聞こえてきたのは彼の声だった。
「すみれ、俺だよ」
――え、この声って……。
ゆっくりと首を上げるとすぐ近くには二日ぶりに見る愛しい人。
目が合うと謙信くんは目を細めた。
「こっちおいで」