ワケあって本日より、住み込みで花嫁修業することになりました。
もういい加減、トラウマを断ち切るべきだって充分わかっている。
けれど幼い頃の記憶は鮮明に覚えていて、また同じ思いをしたら……?って考えてしまうんだ。
仮採用期間の三ヶ月を過ぎ、やっと正規雇用されたんだから、社会人として私も一歩踏み出すべき! って毎日意気込んではいるけど、そう簡単に一歩を踏み出せるわけがない。
だからせめて仕事だけはしっかりやりたい。その思いで勤務に当たった。
昼休みに入り、先輩たちはみんな商業ビルに入っている飲食店へ繰り出している中、私は朝自分で作ったお弁当をひとり寂しく食べ終えた。
小さく顔の前で手を合わせ、お弁当箱を片づけていく。
お弁当を持参してくるのはいつも私と五十歳になる部長だけ。部長は物静かな人で昼休み中も、持参した新聞を読みながら食べているから、ふたりっきりでも話す必要がなく助かっている。
時間を確認すると昼休みも残り半分。この時間だといつもトイレは空いているから、さっさと行っちゃおう。
入社したての頃、昼休みギリギリにトイレに行くとそこは先輩たちの憩いの場と化していた。
洗面台前で化粧直しをしながら、井戸端会議を繰り広げていて、トイレを出るタイミングに困った。
だから今は先輩たちが利用していない時間を見計らって行くようにしている。
けれど幼い頃の記憶は鮮明に覚えていて、また同じ思いをしたら……?って考えてしまうんだ。
仮採用期間の三ヶ月を過ぎ、やっと正規雇用されたんだから、社会人として私も一歩踏み出すべき! って毎日意気込んではいるけど、そう簡単に一歩を踏み出せるわけがない。
だからせめて仕事だけはしっかりやりたい。その思いで勤務に当たった。
昼休みに入り、先輩たちはみんな商業ビルに入っている飲食店へ繰り出している中、私は朝自分で作ったお弁当をひとり寂しく食べ終えた。
小さく顔の前で手を合わせ、お弁当箱を片づけていく。
お弁当を持参してくるのはいつも私と五十歳になる部長だけ。部長は物静かな人で昼休み中も、持参した新聞を読みながら食べているから、ふたりっきりでも話す必要がなく助かっている。
時間を確認すると昼休みも残り半分。この時間だといつもトイレは空いているから、さっさと行っちゃおう。
入社したての頃、昼休みギリギリにトイレに行くとそこは先輩たちの憩いの場と化していた。
洗面台前で化粧直しをしながら、井戸端会議を繰り広げていて、トイレを出るタイミングに困った。
だから今は先輩たちが利用していない時間を見計らって行くようにしている。