ワケあって本日より、住み込みで花嫁修業することになりました。

私、謙信くんと結婚するんだよね？　これから先もずっとそばにいたいなら、本音を伝えるべきじゃないかな。でないと、彼との距離は縮まらず、幼なじみのままな気がする。

もう一度謙信くんを見ると、やさしい眼差しで私を見つめていた。

その瞳に意を決し、景気づけに残りのカクテルを飲み干す。そして目を丸くさせている彼に本音をぶつけた。


「私、ずっと知っていたよ？　……高校生の時から、何度か見かけるたびに謙信くんの隣には、違う女の子がいたし。その……会社に入ってからも、この三ヶ月間でいろいろな噂を耳にしていたから」

これにはさすがの謙信くんも驚いたようで、言葉を失っている。

「でも、どの人とも長く付き合ったことはなかったよね？　……それはどうして？」


謙信くんが私の本音を聞きたいように、私も彼の本音が聞きたい。本当はずっと知りたかったの。どうして謙信くんは、何人もの人と付き合ってきたのかを。