君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
【無情なキス】
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ーーー和泉が部屋を出た後。
「今回の事、とても驚きました! まさに今話題の神対応ですね! いやーーー、本当に凄いです!」
「………ありがとうございます。僕もビックリしています。まさかここまで話題になるとは思いませんでした」
「いや、橘さんは今一番の若手俳優ですから、なりますよ!それで、改めましていくつか質問させていただきたいのですがーーー」
神社での騒ぎの事を聞き付けやってきた記者の取材を順に受けながら、李人は先程の事を思い出していた。
李人は、まさか和泉が自分の撮影現場に来るとは思いもしなかった。
そして、同時に和泉の優葉に対する気持ちを知るチャンスだと思い、李人は和泉を自分の部屋へ無理やり招き入れた。
和泉は、李人が優葉の事を問いて、明らかに反応を示したものの優葉への想いを決して認めなかった。
和泉が優葉への想いを認めればーーー、李人は優葉を賭け、和泉と勝負し完膚なきまでに叩きのめすつもりだった。
しかし、いつまでも頑なに認めようとしない和泉に李人はこれまでにない怒りを感じた。
いつも、優葉だけを見て、優葉を深く想う李人にとって中途半端に優葉を想う和泉の存在は目障り以外の何物でもない。
しかし………優葉は、そんな和泉に笑顔を向けていた。
けして、李人には見せない………明るく弾けるような笑顔をーーー。