君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
川野スクールの玄関先から現れたのは………、険しい表情をしている和泉と関本ではなく40代後半くらいのショートカットの女性だった。
160センチほどのやや痩せ型でピンと背筋を伸ばしコットンレーヨン素材の濃い藍色の膝丈ワンピースを着用している。
その顔立ちは、和泉そっくりでかなりの美形であり、一目で彼女が和泉の母親なのだと優葉は思った。
「これは、 瀬名様! ご無沙汰しております」
「こんにちは、田倉さん。ご迷惑をおかけしましたね。 ………この愚息が、2週間もこちらにいらしてなかったとか。 私も、本邸を開ける事が多いものですから中々目をかけられずで」
(なんか………凄く、プライドの高さそうな人だなぁ)
優葉は、口調は丁寧だが、どこか威圧感のある和泉の母に少々圧倒されていた。
(やっぱり………政治家の奥さんとなると普通のお母さんとは違うんだ)
優葉がそう思っているとーーー、和泉の母と目が合った。
そして、間も無く和泉の母親は和泉をその場に置き去りにし、優葉の元へ来る。
「何やってるの、和泉。 早く来なさい」
しかし、和泉はその場から動こうとしなかった。ただただ険しい顔をし続け………優葉の顔を見ようとはしない。
(一体どうしたっていうの………? 瀬名君………?)