君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

川野スクールの玄関先から現れたのは………、険しい表情をしている和泉と関本ではなく40代後半くらいのショートカットの女性だった。

160センチほどのやや痩せ型でピンと背筋を伸ばしコットンレーヨン素材の濃い藍色の膝丈ワンピースを着用している。

その顔立ちは、和泉そっくりでかなりの美形であり、一目で彼女が和泉の母親なのだと優葉は思った。

「これは、 瀬名様! ご無沙汰しております」

「こんにちは、田倉さん。ご迷惑をおかけしましたね。 ………この愚息が、2週間もこちらにいらしてなかったとか。 私も、本邸を開ける事が多いものですから中々目をかけられずで」

(なんか………凄く、プライドの高さそうな人だなぁ)

優葉は、口調は丁寧だが、どこか威圧感のある和泉の母に少々圧倒されていた。

(やっぱり………政治家の奥さんとなると普通のお母さんとは違うんだ)

優葉がそう思っているとーーー、和泉の母と目が合った。

そして、間も無く和泉の母親は和泉をその場に置き去りにし、優葉の元へ来る。

「何やってるの、和泉。 早く来なさい」

しかし、和泉はその場から動こうとしなかった。ただただ険しい顔をし続け………優葉の顔を見ようとはしない。

(一体どうしたっていうの………? 瀬名君………?)

< 114 / 660 >

この作品をシェア

pagetop