君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「瀬名君………? 何を………、 あっ!?」
そして、和泉は優葉の手からスマートフォンを取り上げたかと思えばーーーそのまま土手の下の方へ、それを放り投げた。
「な………っ、何するのッ!? 信じらんないッ!」
(いくら、私をからかいたいからって………、これはやり過ぎだよッ………!!)
一気に、和泉に対して激昂の気持ちが湧いた優葉は、和泉をキッと睨み付けると、土手の茂みに隠れたであろうスマートフォンを取りに行こうとしたーーーが。
「………電話なんてさせないって、言ったよね? 取りに行かせる訳ないでしょ?」
和泉は、優葉の右手首を離そうとはせず………依然として冷たい笑いを浮かべていた。
「な、っ………」
そのような和泉を見た優葉は、また冷たいものが身体中に走るのを感じ言葉を失った。
しかし、和泉はそんな優葉に言葉を続ける。
ーーー優葉にとっては、信じられない言葉を。
「………ねぇ? アンタとあの俳優の橘 李人ってイトコ同士なんでしょ?」
「………ッ!? 」
(どうして、瀬名君がその事を知ってるの………!?)
優葉が、多くの人に隠している李人との関係を………まさかの和泉が知っていた、という事に優葉は驚きを隠せなかった。