君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「どうして、それをっ………」

「………従兄弟ってだけなのにヤケに仲が良いんだね？ 電話がきたくらいで、あんなに嬉しそうにして」

しかし、優葉の問いかけを完全に無視し、和泉は優葉をまるでどこか責め立てるような口調でそう言った。

「だ、だって………李人君とは、そんなに会えないし、だからーーー」




「………好きなの？ アイツのこと」



そしてーーー先程よりも、より衝撃的な言葉を和泉は優葉に言い放った。


「ーーーッ！？」

それを和泉に聞かれる事は、優葉にとって、あまりにも大きな衝撃だった。
優葉の心臓は一気に、バクバクと大きな音を立て、優葉は息も出来ないほどに絶句した。

「そっ………それっ、はっ………」

優葉は、どうしかして言葉を紡ごうとするものの、身体は正直でありどうしても李人に対する自分の気持ちを誤魔化す事が出来ない。

そのような優葉の様子を見た和泉はーーー再び冷たくそして、醒めたように笑った。

しかしそれは………先程の和泉が現したものよりも、ずっとずっと冷えたものだったーーー。


「………へぇ。 イトコ同士でよくそんな風になれるね？ アンタもアイツもーーー頭がおかしいんじゃないの？」