君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「………ッ、 ど、どうしてそんな酷い事ッ………!?」
優葉は、和泉のあまりの暴言に喉の奥を震わせながら、和泉に哀情と強い憤りが混じり合った声でそう叫んでいた。
「………なぜかって? 教えてやろうか?」
そう和泉は低い声で言うと、優葉の右手首を掴む力を更に強くした。
そしてーーー和泉は優葉を引き寄せ和泉の胸の中に無理矢理押し込めた。
「ーーーッ!?」
(何でっ………、 どうしてこんな事をっ………)
優葉は和泉から離れようとするものの、和泉は優葉をその腕からけして逃そうとしなかった。
「っ………っーーー」
抵抗する声を絞り出そうとしても和泉の胸に顔が力強く押し当てられている為、それもできない。
「………ッ、ふっ………」
気付けばーーー優葉は、涙を流していた。
近付けたと思った和泉の心が一気に闇に消えーーー、そして李人への想いまでも否定され、心が引き裂かれるように痛かったからだった………。
そして、そんな優葉の顔を上げさせ顎をその指先で掴むと………和泉は、冷淡な瞳で微笑んだ。
「………いいね。 もっと泣けよ。 俺の言葉でもっと、傷付けばいい」
「………ッ、ふッ………ふうっ………」
「アイツを想うアンタなんて、俺で壊れればいいーーー」
そして、 それは瞬く間に起きたーーー
「………ッ、 んッ………!」
優葉の唇を………奪うようにして和泉は自身の唇と重ねていたーーー。