君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「ッ………やッ、ーーーッ、んんッ………」
和泉のキスから逃れようとする優葉の腰を強く引き寄せ、和泉は何度も何度も、優葉に深く唇を重ね合わせた。
逃げられない優葉は成す術もなく、和泉からのキスを涙を流しながら受け入れざるおえなかったーーー。
「………ッ、はっ………」
ーーー暫くして、やっと優葉は和泉のキスから解放された。
「ど、してっ………! 酷いよ、こんなのッ………! あまりに無情だよッ………」
そう涙ながらに叫ぶ優葉に、和泉は心なき声で言った。
「………やっぱり、初めてだったんだ?」
「ーーーッ!!」
「残念だね?好きでもない男にファーストキスされて。 しかも、相手は生徒。 あーあ。………真面目な笹原先生は、アイツの前に立つ事すらできないね?」
「ーーーや、やだ、やめてっ………」
「言っただろ?………アイツを想うアンタなんて、壊れればいいって」
そう言って、和泉は暗く歪んだ笑みを浮かべたーーー。
そんな今の和泉は優葉にとって………計り知れない恐怖以外の何物でもなかった。
(もう………イヤ。 耐えられない………)
「いやあッ………!!」
優葉は、まるで狂ったかのようにそう叫ぶと………後は本能のままに和泉を突き飛ばし、その場から離れたーーー。