君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
(結局、アイツと同じ道を辿ってしまった。血は争えないな………。
ーーーでも、もうそれでもいい。 それでいいと思ってしまう程、俺はこの女が好きだ………)
そう一度思ってしまえば、後は楽になり和泉は、 いつものように優葉に軽口を叩き、自然と笑顔になっていたーーー。
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『ーーー瀬名君!』
ーーーその日の授業が終わった後、優葉は、和泉を街中で呼び止め話をしないかと尋ねてきた。
最近川野スクールに来ず、穂奈美と言い争った和泉を優葉は心配して言ったのだと和泉は手に取るように分かっていたが。
『………へぇ。 生徒を町中で堂々とナンパするとは流石の俺も思わなかったよ。意外と堂々としてんだね? 先生』
しかしーーー、そんな優葉があまりに可愛らしく、そして………和泉を少しでも意識し声をかけてくれた事が嬉しく和泉は、つい優葉をからかってしまった。
『な、何でそうなるの!?てか、違うに決まってるでしょっ! 瀬名君てば、どうしていつもいつも、私に意地が悪い事ばっか言うの!?』
その優葉の質問に対し………和泉は一瞬、息を呑みながらも優葉を熱い眼差しで見つめた。
その優葉の問いに対する答えは………もう、和泉の中でハッキリとしていた。
(俺のからかいに反応するアンタが可愛くて………もっと俺だけをアンタに見て欲しくなるからだよーーー)