君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

その甘美さに囚われた優葉に………残された答えは一つだけだった。

「………はいっ………」

優葉は、 喜びで感極まり、震えが止まらない声を一生懸命絞り出しながら………そう李人に返事をした。

「ッ、 優葉ッ……….! 優葉ッ………!」

李人は、優葉の返事を聞いた途端ーーーますます、その顔をくしゃくしゃにさせ涙ながらに笑うと………優葉を強く強く抱きしめる。

「………信じられない。 もう、 俺、 嬉しくて嬉しくて、たまらないよ………!優葉が、俺の彼女だなんて………」

「李人君っ………」

「優葉、俺………本当にずっと、ずっと優葉を大切にするから。 好きだよ、優葉。大好きだ………」

「ッ、私も好き……….、好きだよ、李人君っ………」


ーーー幼なじみで、 イトコ同士。


気付けばいつも傍にいて、様々な思い出とともにお互いの事を深く理解し合ってきた優葉と李人。

そのような優葉と李人の関係は、 お互いを想う心も一緒に育ててきた。

そのような長く深く育まれたお互いの愛を………隅々まで感じ取るように、優葉と李人は暫くの間お互いを抱きしめて離さなかったーーー。

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