君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
4: 解かれた心の鎖

【心の糧は、いつも】


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ーーー数日後 9月初旬

「ーーー東京の企業にインターンシップ………ですか」

川野スクールで、田倉は、苦い表情を浮かべながら目の前にいる優葉を見ていた。

「………大変、申し訳ありません。 ご迷惑をおかけしてばっかりで………」

優葉は、心から田倉に申し訳なく思い深く頭を下げた。

『ーーー優葉、9月の間は東京においで』

李人と想いが通じあったあの日。
李人は、優葉に東京へ来ることを提案した。

『えっ………? 東京?』

『うん。 9月って、確か優葉達は夏休みだよね? だから、瀬名の事で優葉の心が落ち着くまで………出来るだけ、俺の傍にいて欲しいんだ。
そして、優葉が落ち着いたら………俺は正直、今のバイトはやめて欲しいと思ってる。今、学習塾はR町内にも増えてきてるし、 次のバイトを探すのだって、優葉ならきっとすぐだ』

『確かにそうだけど………。 今、受け持ってる生徒は受験生もいるし、そう簡単には………』

『俺も、分かってる。優葉が、川野スクールにいる生徒の事を大事にして放っておけないだろうっていうのは。
………でも、 優葉。 瀬名の事はどうするの?』

『………ッ』

李人に、そう問われた時………優葉の心臓は大きく嫌な音を立て、跳ね上がった。

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