君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
そのまま李人は、 優葉を側にあったネイビー色のローソファーに座らせ、自身も腰を下ろす。
「………どうせ、 優葉の事だから。 また、瀬名の事で何か深く考えたんだろうけどね。違う?」
「………っ!」
あまりにも、図星で優葉は何も言い返せなかった。 そんな優葉を見て、李人はふぅ、と柔らかくため息をついた。
「………全く。考え過ぎないようにってあれほど言ったのに」
「ごめんなさい………。 ただ、どうしても不安になってしまって」
「………不安?」
「李人君は………俳優という夢を立派に叶えて、今、こんなに大きなマンションに住んでる。勿論、私は教師になる為にまだ勉強中で李人君とは比べ物にならないって分かってる。
だけど………本当に、瀬名君との事を解決して………李人君みたいに、 きちんと自分の夢を叶えられるか心配になったの。 本当に、きちんとできるのかなって………」
「………優葉」
そう言う優葉の目には、徐々に涙が溜まっていった。
それを見た李人は、優葉が李人自身が思っていた以上に追い詰められていたと知り、胸を痛めた。
「………俺は、そんなに立派なもんじゃないよ? 」
ーーーどうにかして支えたい。
今、 身体を震わせ、自分自身を責め続ける優葉を。
そう思った李人は、気付けばーーー優葉を抱き寄せていた。