君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「嘘じゃないよ。 ………俺はね、優葉が思っているよりもっと、ずるくて、 手に入れたいものがあれば手段を選ばないタチなんだよ。 本来は、優葉みたいに真っ直ぐ正面から自分の目標に向かったりしない。………だから」

そう言うと、 李人は優葉を見つめた。 いつもよりも、大分、真剣さを帯びたその瞳に優葉は、一瞬で引き込まれた。

「ーーーそんな優葉に憧れて、 強く惹かれたんだ」

「………!」

李人のその力強い、 真摯な言葉に………優葉は息を呑んだ。

「信じられないって顔してるね?」

そう言って、 李人は優葉の顔を両手で柔らかく包み込む。

「っ、 李人君の言ってる事は、本当だって、分かるの………。
だけど、小さな頃から、本当に李人君は誰にでも優しくて、私の事を一番に理解してくれて、 俳優にもなって。 そんな完璧な李人君に憧れられてたって知って………青天の霹靂というかっ………」

「ああ、 それはね。 全部全部、優葉の真似だよ」

「っ、えッ!?」

また、思いもよらぬ李人の言葉に優葉は目をこれでもかというほど見開いた。

「優葉が、誰にでも優しく平等に接するのを見てたから。 ズルなんて微塵もせず、目標に純粋に向かう姿をこの目で見てたから。
だから俺は………本来自分の中にある独占欲や、狡猾さをあまり表に出す事をせずに、その優葉の姿を見習いながらここまできた。
………勿論、夢を叶えたいっていうのもあったけど。 それより俺は、何よりも………優葉に俺の事を好きになって欲しくて堪らなかった」

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