君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「ありがとう………」

優葉は、声を感激で震わせながらそう李人に言った。

「………李人君」

「………何?」

李人がそう尋ね返すと優葉は李人の胸から顔を上げ、李人の目を見つめた。

「李人君は………私の心の糧だよ」

「え………?」

優葉がそう柔らかな声と表情で言えば、今度は李人が驚いた風に優葉を見た。

「いつも、私の事を一番に分かってくれて、どんな時でも………優しく包み込むように私を守ってくれる。
そんな李人君に、何回も救われて………同時にこんな私でも良いんだって、強く思えるの。
ーーー強く、真っ直ぐ………自分の信じた道に行けるの」

「優葉………」

「李人君はさっき自分を悪く言ったけれど………やっぱり、 李人君は優しいよ。 こんなに、こんなに、いつも私………救われてるから」

そう言って、微笑む優葉に………李人の心は強く引きこまれ、息を呑んだ。

どこか心の中で優葉に拒否をされるのではと感じていた李人自身の狡さや独占欲。 だから、特に優葉の前では極力それを見せなかった。

しかし、優葉は、それを知っても………李人を優しいと言った。救われると。

その言葉は………李人の心の奥底を明るく照らしたーーー。

「ったく………、そんな事を言って。 どうしてくれるの?」

「………えっ?」

「また………お前を好きになったでしょ?」



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