君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
有華にそう問われた和泉の胸は………ドクンと、大きく高鳴った。
ーーー好きだと言えないまま、 一方的に深く傷を付けた。
ーーー………傷付けるために、この想いを認めた訳じゃなかった。
そう思い、和泉は唇を噛み締めた。
(………そうだ。 俺は………本当はーーー)
「………和泉が今、胸に秘めてる事を全部、笹原さんに伝えなさい。
和泉が好きになった人だもの。 その気持ちは………けして悪い方にはならない。
そうしたらきっと………和泉にも新しく開ける扉がいくつもでてくる。 暗く一人きりの扉じゃなくて、とびきり、明るい扉がね」
そう言い、有華はニッコリと大きく笑うと和泉の頭をわしゃわしゃと撫であげた。
「頑張れよ、少年! 有華お姉ちゃんは見守ってるからね! 大丈夫!」
「っ、 俺はガキかよ………」
「そうよ〜? 18歳なんて、ガキよ!恋でも進路でも沢山悩んでいいのよ! 最後にそれが自分や大切な人を強く支えられる力になればね!
和泉は、もう少し、ガキんちょでいいの。 そのくらいがちょうどいいわ。 これからは、ガキんちょらしく余計な事は気にせず自分の明るい扉の為に歩みなさい!」