君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

志帆は、 ふんわりと柔らかな雰囲気だった。
そして、実際にも、とても物腰が柔らかな女性だった。

顔立ちは、大きくくりっとした目に、すっきりとした鼻筋。そして、丁度良い大きさの丸い唇をもった美人であった。

更に講師としても、そのティーチングスキルには定評があった。

理由は、講師歴僅か二年で受け持ちの生徒を全て東京大学などの名門大学に現役で進学させたためである。

まさに、絵に描いたような完璧な女性。 それが志帆であった。

『大丈夫よ、 櫂君なら。 まだやれるわ。 だって、 先生初めてだもの。 こんなにも教えていてワクワクする子』

『私も見てみたい。 櫂君が政治家になって、 沢山人を救う所。 櫂君の夢、 先生も勉強という形だけれど一生懸命応援するわ。だって、とっても素敵だもの』

『先生………いつも、 櫂君といると時間を忘れちゃうの。 だって、 とてもキラキラした目で夢を追って………それを叶えられる恵まれた立場なのに努力を惜しまない。
だから凄く、 凄くもっと櫂君を見たいって思って………つい目が離せないの』

そんな志帆は、櫂と距離を縮める度に愛らしい表情と声で、 櫂の事を励まし続け、 何があっても褒め称えた。

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