君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
そう言う櫂は、本当にとても幸せそうに大きく笑っていた。
『そうか………。 良かったな、 櫂兄さん。 おめでとう』
なので和泉も、 まだ仮にも教師と生徒という関係の二人が付き合う事に驚いたものの素直にそう祝福する事ができた。
そして、和泉にそう言われた櫂はまた照れたように明るく笑った。
ーーーしかし、 この数週間後。
櫂自身も、そして和泉も予想をしていなかった事が起こったーーー。
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『嘘でしょ………、櫂。 まさか、あなたが希望の大学全て落ちるなんて………』
ーーー春の訪れがもうすぐ傍まで来ており、桜の花びらも開花しようとしていた3月の下旬。
櫂は、 希望していた大学全てに………不合格となった。
『どういう事!? どうしてなの、櫂!? 一体、何があったって言うのよ!?よりにもよって、あなたがどうしてこんなっ………!?』
その櫂の散々な成績は、母である穂奈美にとって信じがたい出来事であった。
幼い頃から、政治家になると心に決めていた櫂は、勉強も習い事も全て穂奈美達の言う通りにし、恐ろしい程の努力を重ね続けた。
その為、小中高と成績は常にトップ。
更に、 いつでも品行方正であり、穂奈美達の期待に応え続けてきた櫂はまさに筋金入りの優等生。
なので、まさか大学入試という重要な場面で失敗するとは、穂奈美達は思いもしなかったのだ。