君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
『ふざけてなんかないわ。 至って真剣よ』
穂奈美は、 和泉を一瞥すると鋭い眼差しをし、彼を見つめた。
『………櫂の受験が、あんな散々な結果に終わった今。 もう、あなたしかいないのよ、和泉。 お父さんの跡を継ぐのは。 その為のスケジュールよ』
『は………?』
思いもよらなかった穂奈美の発言に和泉は、 唖然とした。
そのような和泉に構う事無く、穂奈美は話を続ける。
『今まで………櫂が上手いこと勉強も習い事もやってきたから、次男であるあなたが、好き勝手しても私もお父さんも何も言いませんでした。
でも、もう状況が変わったのよ、 和泉。あなたが、櫂の代わりに大学に受かってーーーお父様の跡を継ぐのよ』
そのあまりの穂奈美の言い分に………和泉は、一気にはらわたが煮えくり返るような………そんな思いをした。
『勝手に俺の将来を決めつけるな!! 俺は、政治家になんかなりたくない!! あんな自分の事しか頭にないクソ親父の跡なんか、継ぎたくもないね!!』
『何を言うのよ、和泉!! 誰のおかげで、 これまで何不自由なく、いえ、普通以上の生活ができてるか分からないの!?お父さんのお陰なのよ!! その恩に報いるのは当然の事だわ!!』