君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

『何が恩だよ………!!ろくに、俺達の意見を聞こうともせず、いつも自分達の良いように扱うだけだろ!!そんなんで、よく父親、母親って言えるな!!』

『ちょ、待ちなさい! 和泉! まだ話は終わってないわ!!』

穂奈美に怒鳴りつけると、それ以上、その場にいたくなかった和泉は制止しようとする穂奈美の声も聞かず、外へ飛び出した。

そしてーーー、 和泉は直ぐ様、自分のスマートフォンを取り出すと、外出をすると言っていた櫂に電話をかけた。

櫂は、政治家になりたがっている。
なので、櫂に今、和泉が置かれた状況を話し、穂奈美達を説得するよう頼めばーーーまだ何とかなるかもしれないと考えた。

ーーー将来に、自由が欲しい。

ーーー瀬名家に縛られず、自由に、 自分の道を選べる未来が欲しい………。

穂奈美に、その選択肢を奪われそうになっている和泉は、櫂が電話に出る事を切実に願った。

『でろよ……….、 櫂兄さん………』

しかし、どんなに和泉がそう願っても………呼び出し音のみが、 和泉の耳に悲しく反芻するだけであったーーー。




< 246 / 661 >

この作品をシェア

pagetop