君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
和泉は、 怒号と共に櫂に穂奈美から渡されたスケジュールを乱暴に差し出す。
『櫂兄さんのせいで………、 俺は政治家になるしか無くなった。
いいよな、兄さんは………。女とお気楽に遊んで、失敗すれば、次男の俺に全部家の事は押し付けて浪人でも何でも自分の好きな事が出来るんだからな!!』
和泉が、そう責め立てれば今まで強気でいた櫂が一変し、 その表情はまるでサァッと血の気が引いたようであった。
そして、 悲痛さをその顔に滲ませながら、櫂は異を唱えた。
『ーーーッ、 違うんだ!和泉………! まさか、お前がこんな目に遭うなんて俺は知らなかった………! 今からでも俺が、母さんを説得してーーー』
『もう遅いだろ、今更!! 櫂兄さんが受験に落ちた時点で、 母さん達はアンタに見切りをつけたんだよ!! それくらい分かれよ!!
しかも、その理由が女なんて………そんな事の為に、俺は………自由を失ったのか………!!』
『ッ、 和泉………。 俺が悪かった………! だから………』
『今更謝られてもウザいんだよ!! 消えてくれ………もう』
『え………』
『俺の前から消えてくれ!!』