君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
そう言えば、最後。
櫂は、今までにない程、傷付いた表情を見せた。
それでも、頭に血が最高潮にのぼっていた和泉はそんな櫂に構わず外に飛び出した。
ーーーーしかし、 その数日後であった。
『………櫂兄さんが、 事故!?』
『そうよ………。 全く、ひやひやさせる子だわ………』
和泉は、 東京から急きょ帰宅した穂奈美から伝えられたニュースに驚きを隠せなかった。
なんと、櫂は邸宅近くの横断歩道のある道路で車に跳ねられた。
櫂は、信号が赤だったにも関わらず横断歩道の真ん中に飛び出していた。
しかし、幸いにも櫂は頭を強く打ったものの、意識はあり左足の骨を折っただけであった。
『………ということだから、私は今から入院手続きをしてくるわ。命に別条はないみたいだから、和泉は、家にいなさい。
後、一時間で数学の多田先生が来られる筈だから。 予習をしっかりしとくのよ』
『………』
『………和泉? 聞いてるの?』
『っ、 聞い、てるよ………。 分かったから………早く行けば』
和泉は、歯切れの悪い口調でそう言うと怪訝な表情をする穂奈美の目線から逃れるように自身の部屋へと向かった。