君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
なのに、 ただ、たった一度の過ちで………櫂をあんなにも責めてしまった。
いつも、和泉が和泉らしくいられるよう守ってくれた兄をーーー。
『ッ………、無理だッ………。 行けない………。今の俺には………、合わす顔がない………』
和泉は、 苦しさを滲ませた声でそう言うと、 ズルズルと力無くその場に座り込んだ。
ーーーそして、この和泉の決断は。
更に、この先、和泉自身を追い詰めていくーーー。
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一週間後
よく晴れた春の陽気が印象的な休日の午前の事。
午前中、最後の授業を終えた和泉は携帯をじっと見つめていた。
(………電話、 してみよう)
散々、悩んだ末に、電話越しでなら櫂と話せる勇気が持てるかもしれないと和泉は思った。
なので後は、発信ボタンを押すだけだがーーーそこでまた、和泉は躊躇してしまった。
『………電話一本、かけられないのか………俺は』
そう思い、 深く重いため息をついた矢先ーーー
『………ッ!!』
和泉は、自身の指先が誤って発信ボタンに触れた事に気が付いた。
これに、慌てた和泉は、 通話を切ろうとしたがーーー
『………和泉………?』