君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

『ッ、 櫂兄さん………!』

和泉はその瞬間、我を忘れ櫂の入院している病院へと走り出した。

ーーー何か、とんでもない事が起きようてしている。

和泉は、直感でそう感じていた。

暫くし、病院の正面玄関に着いた和泉は………電話で話をする見覚えのある人物を発見した。

『………だから、別れたってば。 あの瀬名議員の坊ちゃんとは!』

『………!?』

そして、それは他でもない志帆であった。
しかし、 いつもの丁寧な物言いと違い乱暴さのある志帆の口調に和泉は、言葉を失った。

『瀬名議員の長男だし、将来とても有望だと思ってたから、今までの生徒の中では一番、相手してあげてたけど。
けど、受験に落ちて、 両親の目が弟に移ったから、一気にただの浪人生に転落しちゃって。
そんな将来なさそうな男にもう用はないわよ。 あの弟に狙いを定めようかと思ったけど、なんかまだ幼すぎて手出す気になれなかったわ。 アハハッ』

そう言い切り、 下品な高笑いをする志帆を見て………和泉はまるで悪夢のようだと思った。

そして、それと同時に湧いてきたのは………途方も無い志帆に対する怒りだった。

(こんな遊び人の為に………、櫂兄さんはあんなにもボロボロにならないといけなかったのか………!?)


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