君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
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「その後は………、 よく覚えていない。 気付けば俺は………喪服を着て、 斎場にいた………」
そう力無く呟いた和泉を見て、優葉は何を言えば良いのか分からなかった。
ーーー和泉は、深く傷つけたまま亡くしてしまった実の兄の墓前にいつも行っていたのだ。
その過去は、優葉が思っていた以上に残酷で………かける言葉は見つからないにも関わらず、心はとても酷く傷んだ。
「転落死だと言われた………。 病室の8階の出窓から櫂兄さんは携帯電話を落としていた………。
だから、その様子を見ようとして、前かがみになったのと足が不自由なのもあって誤って落ちたんだと………。 でも、俺はーーー」
そこで、和泉は歯を食いしばり、その先を言うのを躊躇った。
それが優葉には、どこか和泉が怯えているようにも見えた。
そんな和泉の表情を見た優葉の胸に熱いものがこみ上げる。
(何とかしてあげたい………。何か、何かしてあげたいーーー)