君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー


「………大丈夫」

優葉はそう言い、ギュッと………力強く和泉の手の平を握っていた。

優葉は、和泉の手を強く握りたい衝動に駆られたのだーーー。

そして、例え和泉がそれを拒否しようとも………離したくはなかった。

和泉の手を掴まなければ………和泉が、一人でどんどん自身を追い詰めていきそうな気がして怖かった。

そして、まだ和泉の過去はとても衝撃が大きく優葉は上手い言葉が見つからない。

なのでせめて、和泉に肌で感じさせたかった。

何があっても、優葉は和泉の味方で………一人で苦しさを抱え込み、歩まないで欲しいと………感じさせたかったーーー。

「大丈夫だから………。 瀬名君………、ちゃんと、いるからっ………」

ーーーそして、やっと紡いだ言葉に声が、震えた。

しかし、優葉はどうにかして和泉を見ようと揺れかけている視界を目を見開き、必死で見つめる。

そして、どこか泣きそうな顔をした和泉を見たーーーと思った時。

「………優葉っ………!」

「………!!」

和泉は再び、優葉を強く抱き寄せたーーー。
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