君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
優葉を大切に思うなら、 幸せにしたいと思うなら、和泉自身もそうあって欲しい。
和泉が、心から信頼できる人達と自由に自分の行きたい道を歩んで笑ってて欲しい………。
それが、優葉が和泉の話を聞いた中での結論だった。
「私は………先生としても、 瀬名君が想ってくれた一人の女性としても………そう願ってる。 私だけじゃなくて 瀬名君にも………幸せだと沢山思って欲しい」
「優葉………」
「この答えじゃ………嫌かな?」
優葉がそう問いた時ーーー
「違う………。 全く嫌じゃない………! ただ、俺は………っ」
「………!」
切なさと熱っぽさが混った和泉の声がしたかと思えば………優葉はまた、和泉の腕に抱き寄せられていたーーー。
「俺はっ……….、ただ、また優葉を抱きしめたくなった。アンタが好きで、好きで………堪らない。どうして、そんなに俺を好きにさせるわけ………?」
「っ、瀬名く………」
「そして、俺がずっと心の奥底で望んでいた事を………アンタが願ってくれた。 それが、アンタと俺の幸せだと言ってくれた。 それがもう今、とても嬉しい。だから………俺はもう怖くない」