君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー


(………無意識に、ここに来ていたの?)

両親の目を盗み夜中に李人とバンガローを抜け出し………星を眺めた思い出の場所。

「………っ」

思わず優葉は唇を噛み締めた。

昔と変わらない夜空に星はずっと輝くのに………。

今の李人と優葉の関係があまりにも違うので優葉は泣きたくなった。

「李人君………」

(こんなにも辛いなら李人君の事を諦めたい………。

でも、どうしても李人君を思い出してしまう………)

駐車場の件だってそうだ。彼は李人でないかもしれないのに、そうなら………と考えるなんてどうかしている。

「引き返そう………」

そう思い、優葉がクルリと体の向きを今来た方向に変えたーーー時だった。

「あれ? さっきの可愛い子のお友達じゃない?」

「えっ?あっ!」

(さっき、晴夏と話していた男子大学生の1人だ………!)

彼は、どこかフラついた足取りで優葉の前にいた。

「なになに、1人? こんな所で何してるの〜〜〜?」

「いや、あの………っ」

(お酒くさいし、足取りも覚束ない………。 絶対にこの人酔ってる………!)
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