君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

優葉は、どうにか和泉の事を言えた事に安堵しながらも、まだ緊張の糸は解けず、李人の返答を待つ。

そして、李人が口を開いた。

『………うん、分かった。ありがとう、言ってくれて。 ちゃんと聞くから、安心して』

「李人君………」

『………そろそろ、移動の時間だ。また連絡するね』

「う、うんっ………。 ありがとう」

『うん』

そう言葉を交わせば、李人との通話は終了した。

(大丈夫………だよね。 李人君なら、瀬名君との事、分かってくれるよね)

優葉が、自身にそう言い聞かせながら、取り敢えず、李人が和泉との話を聞いてくれる事に心から安堵したーーーその時だった。

「………優葉! こんな所にいたの? 」

「………、 は、晴夏っ?」

いつの間にそこにいたのか、晴夏が笑顔で教室の後ろのドアから顔を出した。

「次の授業、B棟じゃなかった? 早くしないと間に合わなくない?」

「う、うんっ、ありがとう」

(もしかして………李人君との会話、聞こえてたかな?)


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