君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
李人の口づけは、いとも簡単に優葉の心を李人で満たしてゆく。
そして、同時に感じるのは
「………この体温の温かさも、触れると柔らかくて俺を懸命に受け入れる唇も………全部、好きで堪らない。
だから、優葉の代わりなんてどこにもいない。他の繋がりなんて関係ない。 ………この世に一人、俺が好きなのは優葉しかいないよ」
李人と同じく、李人に抱きしめられた身体から………優葉を心から求めてくる唇から、 李人を愛しいと思う気持ちーーー。
李人の耳元で囁くような優しい台詞を聞けば、 結局はそれが何よりも大切なのだと優葉は気が付いた。
そして、それを知ればまた涙が零れ落ちてくる。
「っ、優葉っ? 何でまた泣くの?」
「っ、違うの………。 今度は、安心して………」
「え?」
「李人君を好きな………だけで。 その気持ちだけで……….、 良いんだって分かったから………。 だから………安心したの。 これからも………ずっと、李人君の傍にいていいんだって………」