君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「………優葉は、先生になるべき人間だ。 今も………これから先も。 だから、俺もヤキモチくらいは我慢するよ」

「李人君………」

「………それに、 お前が俺を好きだって事は、 もう充分に分かってるしね?」

そう言い、どこかイタズラをした子どものように笑う李人を見て………優葉の胸は、今までにない程、李人に対する想いで溢れる。

(愛しい………。 私の夢も………想いも。何もかも包んで、微笑んでくれるこの人が愛しい………)

そう思えば………最後。
優葉は、李人に思い切り抱きついていた。

「優葉っ………?」

「李人君………、李人君っ………」

(伝えたい………。 こんなにも、李人君の事が好きなんだって、伝えたい………)

「好きっ………」

そう言い、 優葉は李人の唇に………キスをした。

「………!」

初めての優葉からのキスに李人は、驚きで目を大きく見開いた。

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