君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「………大丈夫?優葉」
そう言って、李人は眼鏡を外し優葉に微笑んだ。
180センチ程の細身の身体に、サラサラの黒い短髪。
これでもかという程小さい顔からは、大きなアーモンド型の瞳と綺麗な均整のとれた鼻、薄い唇が見てとれる。
そして、その穏やかな雰囲気は昔と何も変わらない。
「り、ひと、君………」
(ああ。 やっぱり、あなただったんだーーー)
「ケガはない?」
「う、うんっ………。あ、ありがとう。え、えっと、そのっ、」
「何?」
「ど、どうして、李人君がここにっ………?」
「あっ、そうか。実はね、埼玉を舞台にした少女マンガの実写映画に主演で出ることになったんだ。
その撮影の傍ら実家に帰って来てるんだよ」
「え!?そ、そうなのっ?」
「うん。それで、事務所の先輩とマネージャーと久々にオフになったから、キャンプでもしようって事になって。
だから、ここに来たんだよ。つい懐かしくなって。小さい頃、優葉とよく来たなって」
「っ、そ、そうだね………っ」
(李人君も………覚えていてくれたんだ。小さな頃、このキャンプ場に来たこと………)