君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
李人が、この場所を覚えていた。
それだけで、優葉の心は大きな喜びに揺さぶられた。
「………久しぶりだね。中学の時以来?」
「う、うん………!あ、あれだよね!李人君は仕事で忙しかったし、李人君が帰省してても私が受験だったり、学校の行事だったり………だったから」
優葉はここで、李人に嘘をついた。
優葉は、李人が帰省すると聞けばわざと塾を入れたり、学校の委員会などの集まりに参加した。
俳優として李人の知名度が上がっていくのは何よりも嬉しかった。
しかし、同時に李人と自分の立場が違い過ぎて遣る瀬無くなっていたのだ。
「そうだね………。でも、優葉はすごいよ。いつも1つの目標に向かってがむしゃらに努力して結果をちゃんと出してる。
数年前に帰省した時、優葉は国語の先生になりたいんだって、おばさんが言ってた。
それに向かって国立大学の教育学部にも入って、今も努力し続けてる。
中々できることじゃないよ」
「そ、そんな………。褒めすぎだよ。 李人君の方がすごいよ。
中学の時、俳優になるって、芸能界に入って、今ではとても有名になってるんだから。うちの大学でも李人君のファンは多いよ?」