君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

【李人の牽制】


ーーーーーーーーーー

「………ん」

ぼやける視界に、 まだほんの僅かな朝の陽光が目に入った。

「………!!」

そして、横を振り向けば………裸で寝ている李人が目にうつり、 優葉はバッとベッドから跳ね起きた。

(そうだ、昨日っ………李人君と………っ)

「ーーーッ!!」

改めて、 昨日の様々な出来事を思い出せば………優葉は羞恥で一気に顔を赤く染める。

(改めて………とんでもない事をした気がするっ………。ーーーていうかっ)

「じ、実家っ!!」

思わず、優葉はそう叫んでいた。
一人娘が、初めて何もいう事なく外泊をしたのだ。
今頃、我が家は混乱を極めているに違いないと思い、優葉は青ざめる。

「と、取り敢えず電話っ………」

そう思い、優葉は慌てながらもスマートフォンを取り出す。

しかしーーー

「あ、ーーーあれっ………?」

(何も、連絡がきてない………?)



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