君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
何も両親から音沙汰がない事に首を傾げた優葉だったが
「………っ、きゃっ!」
「………おはよう、 優葉」
突然、横で寝ていた筈の李人から抱きしめられ、優葉は声をあげた。
「り、李人君っ? 寝てたんじゃ………」
「優葉が、跳ね起きた瞬間に起きたよ」
そう言い、李人はクスクスと笑う。
「ご、ごめんね。大声出して………」
「ううん、寧ろ、最高だよ? 朝起きて、優葉の声で目覚めるなんてね」
そう言い李人は、ますます強く優葉を抱きしめた。
「………昨日は、とても幸せだった。幸せすぎて、頭がおかしくなりそう」
「もう、李人君ってば………」
優葉は、可笑しそうにそう言いながらも心の中は李人に抱かれた事で、今までに無い程、 温かさで満たされていた。
それを、少しでも感じて欲しいと優葉は抱きしめる李人の両手をそっと握る。
そして、その手の感触を感じた李人には、優葉の想いが伝わり………柔らかな笑顔を浮かべた。
「あ、そうだ。 実家っ………!ーーーっ?」
そう言った優葉の頬に李人はキスをした。