君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「………俺にとっては、それだけでも充分幸せなんだ」
そう言い、李人は優葉の頭を撫でた。
その手の温もりも………昨夜、深く強く繋がった身体も。
李人が優葉に与えてくれるもの全てが………李人が、優葉を本当に大切に想っているのだと気付かせてくれる。
「うん。私も………。李人君がいれば、幸せ」
なので、優葉も自然と柔らかな笑みを浮かべそう言った。
その優葉の笑みを見た李人は、堪らなくまた優葉への愛しさが溢れ、彼女を強く抱きしめる。
「あぁ、もうっ。 ヤバイよ、俺」
「っ、李人君っ?」
「優葉が、好きで………。 堪らなくて。 本当に、今すぐにでも当事者に言いに行きたくなる。 昨日、優葉に話したかった事を」
「えっ?」
「例えば、 後何年かしたら優葉と堂々と付き合ってるって世間に言いたい事とか」
「………えっ?」
「小春おばさん達に、従兄弟としてじゃなく、優葉の彼氏として挨拶したいとかね」
「えぇっ!?」
突然の李人の爆弾発言に優葉は驚き、大声を上げた。