君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

「そんなに驚いてくれるとは、言った甲斐があったな」

李人は、優葉の慌てぶりにクスクスと面白そうに笑うが、優葉の勢いは止まらない。

「だ、だって………!せ、"せけん"ってあれだよね? 世間だよね? 芸能人みたく記者会見とかしたり………っ」

「芸能人みたく、って。 俺、芸能人だよ?でも、記者会見するのは俺だけだけどね。優葉は、一般人だし」

「っ、あ、後っ、お母さん達に李人君が彼氏って言うのは、まるでーーー」

そこで、優葉は言葉を止めた。
いや、正確には………李人によって止められた。

「………その先は、俺から言おうか? 」

そう言うと李人は、優葉の左手をそっと取り、その薬指にキスをしたーーー。

「………まるで、 プロポーズみたいって」

「………ッ!!」

優葉は、何も言葉が出なかった。

李人に、図星を突かれたのもあるが、何よりキスをされた薬指が熱く、優葉を差す李人の目線がとても艶やかで………胸の鼓動が止まらなかったからだ。

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