君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「それは光栄だな。 ………でもね、俺は優葉の姿を真似てるだけだよ」
「えっ?」
「ホラ、俺達が小学生の時かな?優葉が中々泳げなくて一生懸命、市民プールで練習してた時期があっただろ?
男子にからかわれても、一生懸命歯を食いしばって、頑張ってた。それで、やっぱりちゃんと結果を残してた。
今の優葉と何も変わらないんだけど………。それが忘れられなくて、俺も辛い時はそれを思い出して頑張ったよ」
「う、うそ………」
まさか李人を好きになったキッカケとなった、水泳の授業の出来事から、李人が優葉の姿を思い出し、努力してるなど思わなかった。
「わ、私も………、李人君の夢の力になれてたんだね」
(それだけで………すごく嬉しい)
今まで、遠い存在になりつつあると思っていた李人が自分の姿を思い出し頑張ってくれていた。
それは、優葉にとってこの上ない喜びであり、李人を再び近くに感じられた。
「………当たり前だよ。 優葉のその姿がなければ、今の俺はいないよ」
「李人君………」
「俺………やっと優葉に会えて嬉しい。本当に」
そう言うと、李人は優葉に優しく微笑んだ。